ComfyUI 完全入門ガイド・ノードベースAI画像生成

「ノードって何?」「AUTOMATIC1111と何が違うの?」ComfyUIの基本概念から、インストール方法、ノードとワークフローの基本、モデル導入とおすすめカスタムノード、ControlNetやFluxなどの応用ワークフローまで、初心者の方にもわかりやすく5つのステップで解説します。

目次

Step 1. ComfyUIって、なに?

ComfyUIとは?

ComfyUI(コンフィUI)は、Stable DiffusionなどのAI画像生成を「ノード(部品)をつなぐ」形で操作できる、高機能なグラフィカルUIです。

2023年初頭に公開され、瞬く間にプロのクリエイターや上級ユーザーの間で人気を集めました。最大の特徴は「ノードベース」の操作で、生成プロセスを視覚的なフローとして自由に組み立てられること。もちろん完全無料・オープンソースです。

🔍 たとえるなら、AUTOMATIC1111が「炊飯器(ボタンを押すだけで炊ける)」なら、ComfyUIは「ガスコンロ+鍋(自分で工程を組み立てる)」。手間はかかるけど、思い通りの料理を作れる自由度があります。

ComfyUIの主な特徴

  • ノードベース操作:各処理を「ノード」という部品で表し、ワイヤーでつないで生成フローを組み立てます。
  • 動作が軽くて速い:AUTOMATIC1111より起動・生成が高速。VRAM効率も優秀で低スペックPCでも動きやすい。
  • 最新モデルへの対応が早い:FluxやSD3など最新モデルの対応がAUTOMATIC1111より早く、常に最前線で使えます。
  • ワークフロー共有が活発:作成したワークフローをJSON形式で保存・共有可能。他人のワークフローをそのまま使えます。

「ノード」って何のこと?

ComfyUIを理解するうえで最も重要なのが「ノード」という概念です。

📖 ノード(Node)とは? 「モデルを読み込む」「プロンプトを入力する」「画像を生成する」など、1つの処理を担当する部品のことです。これらをワイヤー(線)でつなぐことで、画像生成の流れ(ワークフロー)を作ります。

実際の基本的なtxt2imgワークフローはこんな流れです。

  1. Load Checkpoint(モデルを読み込む)
  2. CLIP Text Encode(プロンプトを変換)
  3. KSampler(ノイズ除去・生成)
  4. VAE Decode(画像に変換)
  5. Save Image(画像を保存)

 

最初は難しく見えますが、各ノードの役割を理解すれば、どんな複雑なワークフローも読み解けます。Step 3でひとつひとつ丁寧に解説します。

 

AUTOMATIC1111やForgeと何が違う?

Stable Diffusion用の代表的なUIを比較してみましょう。

UI 操作感 速度 自由度 初心者向け 最新モデル対応
ComfyUI ノードベース ◎ 最速 ◎ 最高 △ 学習必要 ◎ 最速対応
AUTOMATIC1111 タブ型Web UI ○ 普通 ○ 豊富 ◎ 使いやすい △ やや遅め
Forge(WebUI Forge) A1111ベース ○ 高速 ○ A1111同等 ○ 比較的簡単 ○ 対応良好
InvokeAI ハイブリッド型 ○ 普通 ○ 中程度 ○ 比較的簡単 ○ 普通

📌 どれを選べばいい? 初心者はAUTOMATIC1111から始めるのが定番でしたが、最近はComfyUIが標準になりつつあります。Fluxなどの最新モデルを使いたい、ワークフローを細かく制御したい場合は最初からComfyUIを学ぶのが近道です。

ComfyUIが選ばれる理由

①Fluxなど最新モデルへの対応が圧倒的に早い:2024年に登場したFlux(Black Forest Labs)はComfyUIから最初にサポートされました。常に最先端の技術をいち早く使えます。

 

②動作が軽快でVRAM効率が優秀:AUTOMATIC1111より起動が速く、必要なVRAMも少ない場合があります。同じGPUでも高解像度生成がしやすいです。

 

③ワークフローを完全に制御できる:ノードをつなぎ替えることで、txt2img・img2img・inpainting・アップスケール・動画生成など、あらゆるパイプラインを1つのキャンバスで構築できます。

 

④優れたワークフロー共有文化:作成したワークフローをJSONファイルとして共有する文化が盛ん。画像にワークフローが埋め込まれているため、画像をドラッグ&ドロップするだけで再現できます。

 

⑤カスタムノードによる無限拡張:ComfyUI Managerを使えばサードパーティ製のカスタムノードを簡単に追加できます。ControlNet・AnimateDiff・FaceSwap等、あらゆる機能を組み込めます。

ComfyUIでできることリスト

ComfyUIはカスタムノードと組み合わせることで、驚くほど多様な制作が可能です。

 

  • テキスト→画像(txt2img):プロンプトから高品質な画像を生成。最新のFlux・SDXL・SD1.5に全対応。

 

  • 画像→画像(img2img):既存の画像を元にスタイルを変えたり、部分的に変換したりできます。

 

  • ControlNetで構図制御:骨格・深度・輪郭などを使って、ポーズや構図を細かく指定した画像を生成。

 

  • AnimateDiffで動画生成:静止画をGIF・動画に変換。キャラクターを動かしたり、映像を生成できます。

 

  • アップスケール・高解像度化:生成した画像を高解像度に引き上げるHires.fixやUltimateSDUpscaleが使えます。

 

  • 顔スワップ・人物一貫性:ReActorなどのカスタムノードで特定の顔を入れ替えたり、一貫したキャラクターを生成。

 

  • Fluxでテキスト埋め込み生成:Fluxモデルを使うと、画像内に正確なテキストを埋め込んだ画像が生成できます。

 

  • バッチ処理・自動化:複数のプロンプトや設定を一度に処理。大量画像生成の自動化パイプラインも組めます。

 

ComfyUIのあゆみ

  • 2023年1月:ComfyUI 初公開 comfyanonymous氏がGitHubで公開。ノードベースUIという斬新な発想で瞬く間に注目を集める。

 

  • 2023年6月:カスタムノードのエコシステム拡大 ComfyUI Managerが登場。ワンクリックでカスタムノードをインストールできるようになり、爆発的に普及。

 

  • 2023年11月:SDXL・AnimateDiff完全対応 高解像度モデルSDXLとアニメーション生成AnimateDiffへの対応が充実し、プロ層に一気に普及。

 

  • 2024年8月:Flux対応・業界標準へ Black Forest LabsのFluxモデルをいち早くサポート。事実上のAI画像生成スタンダードUIとなる。

 

  • 2025年〜:さらなる進化・モバイル対応等 UI改善・新アーキテクチャ対応が続き、初心者向け機能も充実。AI画像生成の中心として成長中。

 

どんなPCが必要?

ComfyUIをローカルで動かすためのスペックの目安です。

最重要:VRAM VRAM(グラフィックボードのメモリ)が最も重要。ComfyUIはVRAM効率が良く、AUTOMATIC1111より少ないVRAMで動かせることも多いです。

GPU VRAM 動作 使えるモデル
4GB未満 △ 厳しい SD1.5の低解像度のみ(--lowvram オプション使用)
4〜6GB ○ 動作可 SD1.5・SDXL一部(fp8量子化)・Flux一部
8GB ◎ 快適 SDXL・Flux量子化版・SD1.5全般。初心者の推奨
12GB以上 ◎◎ 最適 Flux fp16フル・SDXL高解像度・動画生成まで全対応
24GB以上 ◎◎◎ 最高 全モデル・高解像度・AnimateDiff長尺動画まで余裕

💻 GPUがない場合は? Google ColabやRunPodなどのクラウドGPUを使えばOK。また、ComfyUIはCPUモードでも動作します(非常に遅いですが試すことは可能です)。

Step 2. インストール方法

必要なもの・動作要件

項目 Windows Mac(Apple Silicon)
OS Windows 10 / 11(64bit) macOS 12.3以降
GPU NVIDIA RTX 推奨 / AMD可 Apple M1/M2/M3/M4
VRAM / RAM VRAM 4GB以上(8GB推奨) ユニファイドメモリ 16GB以上推奨
ストレージ 空き容量 20GB以上(モデル含む)
Git 要インストール(後述)
Python Windowsは不要(同梱)、Macは3.10〜3.11推奨

⚠️ AMD GPU(Windows)について:ROCmを使えば動作可能ですが、NVIDIAより設定が複雑です。まずNVIDIA環境の方が圧倒的にスムーズです。

 

💻 Windowsにインストールする

ComfyUIには「ポータブル版」と「Git Clone版」の2つのインストール方法があります。初心者にはポータブル版が圧倒的にオススメです。

ポータブル版とは? Pythonや必要なライブラリが全部まとまったZIPファイル。解凍してダブルクリックするだけで動きます。Pythonのインストール不要!

  1. GitHubからポータブル版をダウンロード
    ComfyUIの公式GitHubリリースページ(github.com/comfyanonymous/ComfyUI/releases)を開き、最新リリースからComfyUI_windows_portable_nvidia.7zをダウンロードします。AMDのGPUの場合は_directml版、CPUのみの場合は_cpu版をダウンロードしてください。
  2. 7-Zipで解凍する
    ダウンロードしたファイルは.7z形式です。まだ7-Zipをインストールしていない場合は7-zip.orgから無料でインストールできます。右クリック→「7-Zip」→「ここに解凍」で解凍します。
  3. モデルファイルを配置する
    解凍したフォルダ内の以下の場所にモデルファイルを入れます(まだ持っていない場合はStep 4で取得方法を解説します)。
  4. ComfyUI_windows_portable/
    └─ ComfyUI/
       └─ models/
          ├─ checkpoints/    ← モデル(.safetensors / .ckpt)を入れる
          ├─ loras/          ← LoRAファイルを入れる
          ├─ vae/            ← VAEファイルを入れる
          ├─ controlnet/     ← ControlNetモデルを入れる
          └─ upscale_models/ ← アップスケーラーを入れる
  5. 起動バッチファイルをダブルクリック
    ポータブル版フォルダ直下のrun_nvidia_gpu.bat(AMD: run_cpu.bat)をダブルクリックします。黒いコマンドプロンプトが開き、初回は依存パッケージのインストールが走ります(数分かかる場合があります)。
  6. ブラウザで開く
    コマンドプロンプトにTo see the GUI go to: http://127.0.0.1:8188と表示されたら成功!ブラウザでそのURLを開くとComfyUIの画面が表示されます。これでWindowsへのインストールは完了です。コマンドプロンプトを閉じるとComfyUIも終了するので、使用中は開いたままにしてください。

🍎 Macにインストールする

Apple SiliconのMac(M1〜M4)はMetal GPUを使ってComfyUIが動作します。Pythonとgitが必要です。

  1. HomebrewとGitをインストール
    # Homebrewのインストール
    /bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
    
    # gitのインストール
    brew install git
  2. Python 3.11をインストール
    brew install python@3.11
  3. ComfyUIをクローン
    # 任意の場所(例:ホームディレクトリ)に移動
    cd ~
    
    # ComfyUIをダウンロード
    git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
    cd ComfyUI
  4. 必要パッケージをインストール
    # 仮想環境を作成(推奨)
    python3.11 -m venv venv
    source venv/bin/activate
    
    # 依存パッケージをインストール
    pip install -r requirements.txt
  5. 起動する
    # Apple Siliconの場合(Metal GPU使用)
    python main.py --force-fp16

    ブラウザでhttp://127.0.0.1:8188を開けば起動完了です。

🔧 ComfyUI Managerのインストール

ComfyUIを入れたら真っ先にやるべきことが、ComfyUI Managerの導入です。これがないとカスタムノードの管理が非常に大変になります。

📖 ComfyUI Managerとは? サードパーティ製カスタムノードをGUIから検索・インストール・更新・削除できるマネージャー。npmやApp Storeのような存在です。これがあるとないとでは快適さが大違いです。

  1. custom_nodesフォルダに移動
    # ComfyUIのフォルダ内で実行
    cd ComfyUI/custom_nodes

    Windowsポータブル版の場合はComfyUI_windows_portable\ComfyUI\custom_nodesフォルダをエクスプローラーで開きます。

  2. ComfyUI-Managerをクローン
    git clone https://github.com/ltdrdata/ComfyUI-Manager.git

    Windowsでgitを使いたくない場合は、GitHubからZIPダウンロードしてcustom_nodesフォルダに解凍してもOKです。

  3. ComfyUIを再起動
    一度ComfyUIを終了して再起動します。再起動後、画面右側のメニューに「Manager」ボタンが追加されていれば成功!これでManagerのインストールは完了。「Manager」→「Install Custom Nodes」から数百種類のカスタムノードをワンクリックで導入できます。

📁 フォルダ構成の全体像

ComfyUIのフォルダ構成を把握しておくと、モデルの配置やカスタムノードの管理がスムーズになります。

ComfyUI/
├─ main.py              ← 起動スクリプト
├─ models/
│  ├─ checkpoints/      ← メインモデル(.safetensors)★ここが最重要
│  ├─ loras/            ← LoRAファイル
│  ├─ vae/              ← VAEファイル
│  ├─ controlnet/       ← ControlNetモデル
│  ├─ clip/             ← CLIPモデル(Flux用等)
│  ├─ unet/             ← UNetモデル(Flux用)
│  ├─ upscale_models/   ← アップスケーラー
│  └─ embeddings/       ← Textual Inversion
├─ custom_nodes/        ← カスタムノードをここに入れる
│  └─ ComfyUI-Manager/  ← Managerもここ
├─ output/              ← 生成した画像の保存先
├─ input/               ← img2img等の入力画像を置く
└─ user/                ← ワークフローの保存先

⚙️ よく使う起動オプション

ComfyUIは起動時にオプションを付けることで動作をカスタマイズできます。

オプション 効果 推奨場面
--lowvram VRAM使用量を大幅削減(低速になる) VRAM 4GB以下の場合
--medvram VRAM使用量を中程度に削減 VRAM 6GB程度の場合
--force-fp16 全処理をfp16で実行 Apple Silicon / 古いGPU
--cpu CPUのみで実行(超低速) GPUなし環境
--port 8189 ポート番号を変更 8188が使用中の場合
--listen 外部からのアクセスを許可 LAN内の別PCからアクセス

# 例:VRAM 6GBの環境での起動
python main.py --medvram

# 例:Apple Siliconでの起動
python main.py --force-fp16

Step 3. ノード・ワークフローの基本

ComfyUIの画面構成

ComfyUIを起動すると、広大なキャンバスにノードが並んでいます。まず画面の各要素を把握しましょう。

  • 🖥️ メインキャンバス(ノードを配置するエリア):ワークフローのメインステージ。ノードを自由に配置・接続します。右クリックでノードを追加、中クリック+ドラッグまたはスペース+ドラッグで画面を移動、Ctrl+ホイールでズームします。
  • ⚙️ 右側パネル(Queue・設定・Manager):「Queue Prompt(生成実行)」ボタン、生成キューの表示、各種設定メニュー、ComfyUI Managerへのアクセスが右側にあります。
  • 🔗 ノードのコネクタ(入力:左側/出力:右側):各ノードには左側に入力ポート右側に出力ポートがあります。出力ポートをドラッグして別ノードの入力ポートに接続します。同じ色のポートだけつながります。

ノードの追加・接続・削除

  • ➕ ノードを追加する:キャンバスの空白部分でダブルクリックまたは右クリック→「Add Node」でノード検索ウィンドウが開きます。名前を入力して検索し、クリックするとキャンバスに追加されます。
  • 🔗 ノードを接続する:ノードの右側の出力ポート(●)をドラッグして、別ノードの左側の入力ポートに向かって引っ張ります。接続できるポートは同じ色で示されます。接続すると線が引かれます。
  • ✂️ 接続を切断するCtrl+ドラッグで接続線を切ることができます(ハサミモード)。または入力ポートを右クリック→「Disconnect」でも切れます。
  • 🗑️ ノードを削除する:ノードを選択してDeleteキー、または右クリック→「Remove」で削除できます。複数選択はShift+クリックか範囲選択で可能です。
  • 📋 ノードをコピー&ペースト:ノードを選択してCtrl+C → Ctrl+Vでコピーペーストできます。設定値ごとコピーされるので便利です。

⌨️ キーボードショートカット一覧

操作 ショートカット
生成を実行 Ctrl + Enter
ノードを追加 キャンバスをダブルクリック
全選択 Ctrl + A
元に戻す Ctrl + Z
ワークフロー保存 Ctrl + S
ワークフロー読み込み Ctrl + O
全体を画面に収める Ctrl + Shift + H
接続線を切る キャンバスで Ctrl + ドラッグ
画面移動 Space + ドラッグ または 中ボタンドラッグ
ズーム Ctrl + マウスホイール

覚えておきたい主要ノード8選

ComfyUIには数百種類のノードがありますが、まずは以下の8つを覚えれば基本ワークフローが組めます。

  • Load Checkpoint(モデル読み込み):Stable Diffusionのメインモデルを読み込みます。最初に必ず使うノード。出力:MODEL / CLIP / VAE
  • CLIP Text Encode(テキスト変換):テキストプロンプトをAIが理解できる数値(CONDITIONING)に変換します。ポジティブ・ネガティブそれぞれ1つずつ使います。
  • Empty Latent Image(ノイズ生成):生成する画像のサイズ(幅・高さ)と数を指定してノイズの土台を作ります。
  • KSampler(サンプリング/生成):ComfyUIの心臓部。ステップ数・CFG・サンプラー・スケジューラーを設定して画像を生成します。
  • VAE Decode(画像変換):KSamplerが出力したLATENT(潜在空間のデータ)を実際の画像に変換します。
  • Save Image(画像保存):生成した画像をoutputフォルダに保存します。ファイル名のプレフィックスを設定できます。
  • Load Image(画像読み込み):img2imgやi2i用に既存の画像を読み込みます。inputフォルダの画像を選択できます。
  • VAE Encode(画像→潜在空間):img2imgで使用。入力画像をLATENT空間のデータに変換します。KSamplerに渡します。

txt2imgワークフロー解説

テキストから画像を生成する最もシンプルなワークフローです。ComfyUIを起動したときのデフォルト状態がこのフローです。

  1. Load Checkpoint:MODEL・CLIP・VAEを出力
  2. CLIP Text Encode × 2:CLIPを受け取り、ポジティブ/ネガティブのCONDITIONINGを出力
  3. Empty Latent Image:LATENTを出力
  4. KSampler:MODEL/CONDITIONING/LATENTを受け取り、LATENTを出力
  5. VAE Decode:LATENT・VAEを受け取り、IMAGEを出力
  6. Save Image:IMAGEを受け取り保存

KSamplerの主要パラメーター

パラメーター 意味 推奨値
steps 生成ステップ数。多いほど精細だが時間がかかる 20〜30
cfg プロンプトへの忠実度。高いと画風が強くなる 6〜8(Flux: 1〜3)
sampler_name サンプリングアルゴリズム euler / dpm++2m
scheduler ノイズ除去スケジュール karras / normal
denoise ノイズ除去の強度(0〜1) txt2img: 1.0 / img2img: 0.5〜0.8
seed 乱数シード。固定すると同じ画像が再現できる -1(ランダム)または任意の数値

img2imgワークフロー解説

既存の画像を元に変換・加工するワークフローです。txt2imgとの違いは「Load Image → VAE Encode」が追加される点です。

📖 img2imgとは? 入力画像の構造や色合いを維持しながら、プロンプトで指定したスタイルに変換する技術。denoise(ノイズ除去強度)を調整することで、元画像の影響度をコントロールできます。

  1. Load Image:IMAGEを出力
  2. VAE Encode:IMAGE・VAEを受け取り、LATENTを出力
  3. KSampler:入力画像由来のLATENTを受け取り、LATENTを出力
  4. VAE Decode:IMAGEを出力
  5. Save Image

💡 denoiseの目安:0.3〜0.5なら元画像に近い、0.6〜0.8で大きく変化、1.0は完全に新しい画像(txt2imgと同じ)。img2imgでは0.5〜0.7がよく使われます。

ワークフローを保存・読み込む

ComfyUIの強みの一つが、ワークフローをJSONファイルで保存・共有できること。他人のワークフローをそのまま使えます。

  • 💾 ワークフローを保存する:右側パネルの「Save」ボタン、またはCtrl + Sでファイルとして保存できます。画像に保存する場合は生成された画像に自動でワークフロー情報が埋め込まれます。
  • 📂 ワークフローを読み込む:ファイルをキャンバスにドラッグ&ドロップ、または右パネル「Load」ボタンで読み込めます。他人が作ったワークフローも同様に読み込めます。
  • 🖼️ 画像からワークフローを復元:ComfyUIで生成した画像にはメタデータとしてワークフロー情報が保存されています。その画像をキャンバスにドラッグ&ドロップすると、ワークフロー全体が復元されます。

🌐 ワークフロー共有サイト:Civitai、OpenArt、ComfyWorkflows.comなどでユーザーが作成したワークフローが無料公開されています。まずは他人のワークフローを使って学ぶのが上達の近道です。

Step 4. モデル導入&おすすめカスタムノード

ComfyUIで使えるモデルの種類

ComfyUIは様々なモデルに対応しています。2025年現在の主要モデルを紹介します。

  • 🌟 Flux(Black Forest Labs):2024年登場の次世代モデル。テキスト表現力が圧倒的で、画像内に文字を正確に書ける。ComfyUIでのサポートが最も早かった。(最高品質・テキスト生成◯・VRAM多め)
  • 💎 SDXL 1.0 / Pony / Illustrious:高解像度・高品質な画像を生成できる大型モデル。イラスト向けのPonyやIllustrious-XLが特に人気。(高解像度・バリエーション豊富・VRAM 8GB推奨)
  • ⚡ SD 1.5ベース:古いが軽快に動作し、LoRAやエクステンションのエコシステムが最も充実。低VRAMでも使いやすい。(軽量・高速・LoRA豊富・VRAM 4GB〜)
モデル VRAM目安 ファイルサイズ 特徴
Flux.1 [dev] 12GB+(fp16) 約24GB 最高品質・テキスト生成対応
Flux.1 [schnell] 8GB+(量子化) 約12GB〜 高速版・4〜8ステップで生成
SDXL 1.0 8GB推奨 約6.5GB 高解像度・高品質の基準モデル
PonyXL 8GB推奨 約6.5GB アニメ・イラスト向け。日本語タグ対応
SD 1.5 4GB〜 約2GB 軽量・LoRAが最も豊富。枯れた技術

【2026年最新】分野別おすすめモデル

日々新しいモデルが登場するため一概には言えませんが、2026年8月時点でComfyUIユーザーに評判の良いモデルを分野別にまとめました。導入の参考にしてください。

写真・実写系

  • Qwen-Image:プロンプトの理解力と再現力に優れた高性能モデル。Apache 2.0ライセンスで商用利用も可能。Lightning LoRAを組み合わせると生成時間を大幅に短縮できます。
  • Z-Image Turbo:2025年11月登場の最新モデル。わずか数秒で写真のようにリアルな肌の質感を再現できる高速さが特徴。
  • Flux.2 Dev:Fluxシリーズの最新版。ディテールやテキスト描写の精度がさらに向上していますが、ライセンスは非商用利用向けです。
  • Flux.1 dev / schnell:定番として今も根強い人気。schnell版はApache 2.0ライセンスで商用利用可能、4〜8ステップの高速生成が魅力です。

イラスト・アニメ系

  • Illustrious XL系(Hassaku XL、Anillustrious、CyberIllustriousなど):高解像度で背景や衣服の質感表現に強く、Civitaiで特に人気の高いモデル群です。
  • Pony Diffusion V6 XL系(Nova Anime XLなど):タグベースのプロンプトでキャラクターイラストを得意とする定番モデル。
  • NoobAI-XL:Illustrious系と並んで人気の高いアニメ特化モデル。

動画生成

  • Wan2.2:MoE(専門家混合)アーキテクチャを採用した動画生成モデル。テキストや画像から高品質な動画を生成でき、5B版なら8GB VRAMでも動作可能。Apache 2.0ライセンスで商用利用もOKです。

💡 モデル選びのコツ:まずはApache 2.0など商用利用可能なライセンスのモデルから試し、用途(写実系かイラスト系か)に合わせてCivitaiで評価の高いモデルを追加していくのがおすすめです。ライセンス表記は必ずダウンロード前に確認しましょう。

どこでモデルをダウンロードする?

  • Civitai(シビタイ):世界最大のAIモデル共有サイト。モデル・LoRA・VAEが豊富で、プレビュー画像で品質を確認してダウンロードできる(civitai.com)。
  • Hugging Face(ハギングフェイス):AI研究者が公式モデルを配布するプラットフォーム。Flux公式モデルなど、オリジナルファイルはここから入手(huggingface.co)。

⚠️ ライセンスを確認しましょう:モデルによって商用利用の可否が異なります。Civitaiのモデルページの「License」欄を必ず確認してください。

ダウンロードしたモデルの置き場所

モデルの種類によって、ComfyUIフォルダ内の置き場所が決まっています。

ComfyUI/models/
├─ checkpoints/
│  ├─ v1-5-pruned-emaonly.safetensors    ← SD 1.5
│  ├─ sdxl_base_1.0.safetensors          ← SDXL
│  └─(通常の.safetensorsモデルはここ)
│
├─ unet/
│  └─ flux1-dev.safetensors              ← Flux UNet(Diffusion Model)
│
├─ clip/
│  ├─ clip_l.safetensors                 ← Flux CLIP L
│  └─ t5xxl_fp16.safetensors             ← Flux T5 XXL
│
├─ vae/
│  └─ ae.safetensors                     ← Flux VAE(ae.safetensors)
│
└─ loras/
   └─ your_lora.safetensors              ← LoRAファイル

💡 FluxはSD系と構造が異なります:Fluxは「UNet」「CLIP L」「T5 XXL」「VAE」の4ファイルに分かれています。それぞれを対応するフォルダに配置してください。

🔧 カスタムノードをインストールする

ComfyUI ManagerがインストールされていればGUIから簡単にカスタムノードを追加できます。

  1. Managerを開く:ComfyUI右側パネルの「Manager」ボタンをクリックします。
  2. Install Custom Nodes を選択:Managerウィンドウの「Install Custom Nodes」をクリックします。インストール可能なカスタムノードの一覧が表示されます。
  3. 検索してインストール:検索ボックスにノード名を入力して探します。目的のノードを見つけたら「Install」ボタンをクリックします。
  4. ComfyUIを再起動:インストール完了後、ComfyUIを再起動するとノードが使えるようになります。Manager内の「Restart」ボタンで簡単に再起動できます。

必ず入れたい人気カスタムノード10選

ComfyUIの機能を大幅に拡張する、特に人気の高いカスタムノードを厳選して紹介します。

  1. ComfyUI-Manager:カスタムノードの管理ツール。インストール済みのはずですが、これなしではComfyUIの可能性の半分も引き出せません。
  2. ComfyUI Impact Pack:顔検出・修正(FaceDetailer)、セグメンテーション、アップスケールなど多機能パック。高品質な顔を生成するには必須。
  3. ComfyUI ControlNet Aux:ControlNet用のプリプロセッサーを提供。骨格検出・深度・輪郭など多様な前処理ノードが一括で使えるようになります。
  4. WAS Node Suite:100以上の多目的ノードが追加されるメガパック。テキスト処理・画像フィルター・ファイル操作など便利ノードが満載。
  5. Efficiency Nodes for ComfyUI:複数のノードを1つに統合した高効率ノード群。ワークフローをシンプルにまとめられ、初心者にも見やすくなります。
  6. ComfyUI-Florence2:MicrosoftのFlorence-2モデルを使った画像キャプション生成・物体検出ノード。自動プロンプト生成に役立ちます。
  7. ComfyUI-AnimateDiff-Evolved:静止画から滑らかなアニメーションを生成するAnimateDiffの高機能実装。モーションLoRAとの組み合わせで多様な動きを表現。
  8. ReActor Node for ComfyUI:高精度な顔スワップ(顔入れ替え)ノード。特定の人物の顔を生成画像に合成する際に使用します。
  9. Ultimate SD Upscale:タイル分割して超高解像度にアップスケールするノード。4K・8K画像も破綻なく高品質に仕上げられます。
  10. ComfyUI-Inspire-Pack:プロンプトの一括変更・ランダム選択・条件分岐など高度なプロンプト制御ノードを提供。バッチ生成の自動化に強力。

Step 5. 応用ワークフロー

Step 3〜4でノードの基本とモデル・カスタムノードの導入方法を学んだあとは、いよいよ応用ワークフローに挑戦できます。ここで紹介する5つのワークフローを身につければ、ComfyUIでほぼ何でも作れるようになります

ControlNetでポーズ・構図を制御する(中級)

ControlNetは入力画像の構造情報(骨格・輪郭・深度など)を保持しながら、プロンプトで指定した画風で画像を生成する技術です。

ControlNetの主な種類

  • OpenPose:人体の骨格を検出。ポーズを完全に再現した画像を生成できる。
  • Canny / Lineart:輪郭線を抽出。キャラクターの形状を保ちながらスタイルを変更。
  • Depth:深度マップを使用。3D的な空間構造を保ちながら変換。
  • Reference:参照画像のスタイルや配色を他の画像に適用する。

ControlNetワークフローの流れ

Load Image → AIO Preprocessor → Load ControlNet → Apply ControlNet → KSampler → VAE Decode → Save Image

パラメーター 意味 推奨値
strength ControlNetの影響の強さ 0.6〜0.9(強すぎると硬くなる)
start_percent ControlNetを適用し始めるステップ割合 0.0(最初から)
end_percent ControlNetを終了するステップ割合 0.8〜1.0

💡 必要なもの:ControlNet Auxカスタムノード(プリプロセッサー用)と、使用モデルに対応したControlNetモデルファイル(ComfyUI/models/controlnet/に配置)。

Fluxで最高品質の画像を生成する(中級)

FluxはSD系モデルと構造が大きく異なります。UNet・CLIP L・T5 XXL・VAEの4ファイルを別々に読み込む必要があります。

Flux専用ワークフローの流れ

Load Diffusion Model → DualCLIPLoader → CLIP Text Encode(Flux) → EmptySD3LatentImage → KSampler / ModelSamplingFlux → VAE Decode → Save Image

設定 Flux [dev] Flux [schnell]
steps 20〜30ステップ 4〜8ステップ(高速)
cfg 1.0〜3.5(低め!) 1.0(固定推奨)
sampler euler / dpm++2m euler
scheduler simple / beta simple
ネガティブプロンプト 不要(空白でOK) 不要

⚠️ Flux [dev] の利用条件:Flux devはFluxDevライセンスにより、商用利用は別途ライセンス取得が必要です。個人利用はOK。商用ならFlux [schnell](Apache 2.0)を使用してください。

VRAM不足の場合:量子化モデルを使う

  • GGUF版(Q4/Q5/Q8):「Flux GGUF」で検索。VRAMを大幅削減でき、8GB GPUでFlux devが動く。
  • fp8版:12GBのVRAMがあればfp8版でほぼフルクオリティで動作可能。
  • NF4版:6〜8GBのVRAMでも動作可能な超圧縮版。画質は若干低下。

AnimateDiffで動画・アニメーションを作る(上級)

AnimateDiffは静止画生成のプロセスに「時間軸」を追加し、滑らかなアニメーションを生成する技術です。ComfyUI-AnimateDiff-Evolvedカスタムノードが必要です。

AnimateDiff 基本ワークフロー

Load Checkpoint → Load AnimateDiff Model → AnimateDiffLoader → CLIP Text Encode ×2 → KSampler(フレーム数分) → VAE Decode × Frames → Save as GIF / MP4

設定 内容 目安
frame_count 生成するフレーム数 16〜32フレーム(VRAM次第)
context_length 一度に処理するフレーム数 16(標準)
fps フレームレート 8〜16fps
beta_schedule ノイズスケジュール linear(AnimateDiff専用)
  • モーションLoRA:ズームイン・ズームアウト・パン・回転など特定の動きを追加できます。
  • SD 1.5ベースモデルを使用:AnimateDiffはSD 1.5系モデルと組み合わせる場合がほとんどです。
  • 必要VRAM:8GB以上推奨。フレーム数が多いほどVRAMを消費します。

Hires.fix&アップスケールで解像度を上げる(初中級)

一度生成した画像を高解像度に引き上げる方法は2つあります。Latent Upscale(Hires.fix)モデルベースアップスケール(ESRGAN等)です。

方法① Latent Upscale(Hires.fix相当)
KSampler(1回目:低解像度生成) → Latent Upscale by → KSampler(2回目:denoise 0.4〜0.7) → VAE Decode → Save Image

方法② ESRGANモデルアップスケール
VAE Decode(通常生成) → Load Upscale Model(ESRGAN等) → ImageUpscaleWithModel → Save Image(2〜4倍高解像度)

💡 おすすめアップスケーラー:写真系ならRealESRGAN x4plus、アニメ・イラストなら4x-AnimeSharp4x_NMKD-Siaxが人気です。models/upscale_models/に配置して使います。

Inpaintingで画像の一部を書き換える(中級)

Inpaintingはマスクで指定した領域だけをAIで再生成する技術です。背景を変えたり、不要なオブジェクトを消したり、顔だけを修正するのに使います。

Inpainting ワークフロー
Load Image + Mask → VAE Encode (for Inpaint) → KSampler → VAE Decode → Save Image

  • マスクの作り方:ComfyUI内のLoad Imageノードから「Open in MaskEditor」でブラシを使って塗れます。
  • denoise値:0.5〜0.9が一般的。低いほど元画像に近く、高いほど大きく変わります。
  • Inpaint専用モデル:SD1.5の場合は「sd-v1-5-inpainting.ckpt」など専用モデルを使うと品質が上がります。
  • Impact PackのFaceDetailer:顔専用のInpainting自動化ノード。生成した顔をワンノードで高精細に修正できます。

🎯 実践Tips:全体を低解像度で生成→アップスケール→顔だけFaceDetailerで再生成、という流れが高品質な人物画像を作る定番の手順です。

他人のワークフローで学ぶのが最速!

ComfyUIは「他人が作ったワークフローをそのまま使って学ぶ」文化が盛んです。以下のようなサイトで公開ワークフローを探してみましょう。

  • Civitai Workflows:モデルと一緒にワークフローも多数公開。画像から直接ワークフロー復元も可。
  • OpenArt Workflows:多数のComfyUIワークフローがカテゴリ別に整理されて公開されている。
  • ComfyWorkflows.com:ComfyUI専門のワークフロー共有サイト。ワークフローファイルを直接ダウンロード可能。

以上、ComfyUIの基礎知識からインストール、ノードとワークフローの基本、モデル導入とカスタムノード、応用ワークフローまで解説しました。最初は「ノード」という概念に戸惑うかもしれませんが、一度理解すると、より細かく自由に画像生成をコントロールできるようになります。ぜひ実際に手を動かしながら、自分だけのワークフローを作ってみてください。

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